storyあらすじ

舞台設定

とき

平安時代、江戸時代、現代が混然とした、ある春の一日

ところ

京の在原平平(ありはらのひらひら)の屋敷

登場人物

中将 在原平平(ちゅうじょう ありはらのひらひら‐アルマヴィーヴァ伯爵) 桐竹 勘十郎(人形)
北の方 橘の上(きたのかた たちばなのうえ‐伯爵夫人ロジーナ)      赤松 禎友     
随身 家路(ずいじん いえみち-フィガロ)                野村 又三郎    
女房 梅が枝(にょうぼう うめがえ‐スザンナ)              茂山 茂      
小舎人童 光丸(こどねりわらわ みつまる-ケルビーノ)          山本 善之     
樋洗童 春菜(ひすましわらわ はるな-バルバリーナ)           茂山 あきら    

演奏

太 夫      豊竹 呂太夫        
三味線      鶴澤 友之助        
管楽アンサンブル クラングアート・アンサンブル

あらすじ

ときは昔、舞台はどこぞの城の中――家臣の太郎と、奥方付の女召使い・お花の結婚を控えたお祝いムードとは裏腹に、彼らを取り巻く人々には、それぞれ思うところがあるようです。

美しい奥方を妻に持ち、表向きは太郎たちに新居まで与えて祝福する素振りを見せながら、あわよくば…とお花にちょっかいを出す浮気者の殿さま・在原平平。何でもこの殿さまは和歌の名手、稀代の色男として知られた、かの在原業平の子孫にあたるのだとか。“自分に優しく、人に厳しく”を地で行く殿さまは、自分のことは棚に上げ、まだ若くて気の多い家臣の蘭丸が、お花の仲間・おあきと良い雰囲気になっていたことを見咎めて、欄丸を追い出そうとします。どうにかしてご主人さまの怒りを解こうと、方々に泣きつく蘭丸。おあきも可愛い、でもお花も綺麗……と移り気な蘭丸ですが、心底慕っているのは実は、夫の浮気癖に苦悩する奥方さまなのです。

さて、臨時収入のアルバイト話をもちかけ、お花に夜伽の相手をさせようと目論む平平。このやり取りの一部始終を蘭丸が知ったことから、話は一層ややこしくなります。さらには妻が、素知らぬ顔でこうした夫の動向を全て把握しているのも世の常。こうなると城の主の色好みは、屋敷中の悩みのタネ以外の何ものでもありません。ここはひとつ、家人が一丸となってご主人さまにお灸を据えなければ……と太郎たちは画策します。

こうして迎えた結婚式の日。しっかり者のお花は、ご主人さまの誘いに応じる風を装って逢引の約束を取り付けます。披露宴を抜け出し、約束の場所へと向かう平平を待ち受けるのは……

さてさて、長年連れ添った夫婦にも大なり小なりの諍い、揉め事はつきもの。時が時ならセクハラ・パワハラ・職権乱用で、“ダメ男”認定間違いなしの殿さまをうまくかわして、若い二人は幸せな夫婦となることができるのでしょうか?

魔笛公演より ©K.OGINO

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Le Nozze di Figaro